ホテルM&AでPMSや予約データを引き継ぐ際は、データを移すだけでなく、既存予約、前受金、販売在庫、顧客対応がつながることを確認します。この記事では、システムの一覧化から照合、切替え後の確認までを、担当者が使える作業表に整理します。
まず予約に関わるシステムと契約を一覧にする
| 対象 | 記録すること | 引継ぎの確認先 |
|---|---|---|
| PMS | 契約者、利用製品、連携先、利用者権限、出力できるデータ | 提供会社・運用担当 |
| サイトコントローラー・OTA | 施設ID、販売中プラン、在庫連携、入金・精算、運用窓口 | 各提供会社・予約担当 |
| 自社予約・Webサイト | 予約エンジン、ドメイン、通知先、決済・取消の運用 | 制作・運用会社・予約担当 |
| 法人・旅行会社・団体予約 | 契約、予約残、請求先、前受金、取消条件、担当窓口 | 契約担当・取引先窓口 |
| 決済・会計・その他連携 | 売上データ、入金照合、電子錠、POSなどの連携と障害時対応 | 各提供会社・経理・現場担当 |
アカウント、口コミ、施設IDや契約がそのまま引き継げると決めつけず、各サービスの契約条件と提供会社の手続を確認します。ログイン情報の受渡しだけで作業を完了させないことが大切です。
移すデータと、移す必要のないデータを分ける
既存予約の履行や精算に必要な情報、今後の運用に必要な設定、過去の参照用情報を区別します。氏名・連絡先・要望などの個人情報は、利用目的、共有相手、必要な項目、保存・管理方法を確認したうえで扱います。扱いに判断が必要な場合は専門家や提供会社に確認します。
テストでは、実際の顧客情報を使わずに確認できる項目から進めます。作業担当の権限、記録、バックアップ、不要になったアクセス権の終了方法も先に決めます。詳しい共有管理は売却相談の情報管理をご覧ください。
予約と前受金は宿泊日を軸に照合する
引継ぎ日前後の予約を、予約番号、宿泊日、人数・室数、プラン、料金、入金済額、残額、取消・返金の状態で確認します。予約データの件数だけでなく、金額と宿泊の履行状況を照合します。
- 引継ぎ前に入金され、引継ぎ後に宿泊する予約。
- 旅行会社等が後日精算する予約や、法人への掛売り。
- 変更・取消・一部返金が途中の予約。
- 連泊、複数室、団体、食事・送迎など付帯サービスがある予約。
- 紙台帳、電話・メールだけで管理されている予約。
予約の責任分担や金銭の精算は、当事者間で確認して記録します。団体・法人契約については、予約・契約承継の実務も参照してください。
切替え前にテストしておく操作
| テスト | 確認する結果 |
|---|---|
| 予約作成・変更・取消 | PMS、販売経路、通知メールで内容が一致する |
| 在庫・料金・販売停止 | 販売可能室数、部屋タイプ、料金、停止期間が意図どおり反映される |
| 入金・返金・請求 | 担当者が対象予約と金額を照合できる |
| チェックイン・アウト | 現場担当が予約、精算、鍵や付帯サービスを確認できる |
| 障害時の対応 | 緊急連絡、代替台帳、復旧後の照合を担当者が実行できる |
操作確認は提供会社の案内に沿って行い、本番の予約や顧客への通知に影響が出ない方法を選びます。テスト結果には日時、担当、期待した結果、実際の結果、未解決事項を残します。
切替え当日と翌日以降の確認を分ける
- 切替え前:作業時間、責任者、予約更新の扱い、バックアップ、問題発生時に戻す条件を確認する。
- 切替え当日:予約件数・金額・在庫を照合し、フロント、予約、経理で確認結果を共有する。
- 翌日以降:新規予約、変更、取消、入金通知、連携エラーを確認する。
- 最初の月次精算:前受金、未収、返金、OTA等の精算と会計資料を照合し、差異を解消する。
古いシステムをいつ停止するかは、契約、参照の必要性、照合結果を確認して決めます。引継ぎの完了は「データを送った日」ではなく、担当者が必要な業務を実行でき、未解決事項の担当が決まった状態として確認しましょう。
全体の準備はホテル売却の資料チェックリストをご覧ください。利用中のシステム名が分かる段階から、譲渡企業様向け無料相談で引継ぎの課題を整理できます。

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